今回は私の専門外のお話ですが、トレーニング寄りのお話です。
私はドッグトレーナーではないのでトレーニングには詳しくないのですが、犬との関わり方で日頃から感じていること「飼い主と犬の関係性」について。
パックリーダー論とは
犬の祖先がオオカミであることから、犬も群れを作って生活をする動物と考え、その群れのリーダー(アルファ)の行動を人間が真似ることにより犬を支配しようとする物です。
代表的なしつけ方法として、例えば…
- マズルコントロール
- ロールオーバー
- ジャーク
- スクラフアンドシェイク
など。カタカナばかりで分かりずらいですね、詳しく見ていきましょう。
マズルコントロール
こちらは聞いたことのある方も多いかと思います。
犬のマズルを押さえ、上下左右に動かしコントロールするというしつけ方です。
母犬が子犬にしつけを行う際に同様のことをするとのことで、犬の武器である口を手で掴まれても暴れずに服従することができるように行います。
ロールオーバー
仰向け抱っこのことです。
犬がお腹を見せるのは服従のサインということから、犬を仰向けにして大人しくなるまでホールドします。
犬が大人しくリラックスするようになったら、服従したサインだそうです。
ジャーク
首輪を強く引きショックを与える方法です。
引っ張り癖や吠え癖などの矯正に使われることが多いです。
スクラフアンドシェイク
首根っこを掴み持ち上げ振る、という罰の与え方です。
主に小型犬に対して使います。
アルファシンドロームとは
先ほども書きましたが、オオカミの群れのリーダーはアルファと呼ばれます。
犬が自分がリーダーになったと勘違いし、人間を支配しようとすることをアルファシンドロームと呼びます。
具体的には、自分の思い通りにならないと唸るなど。
犬を飼う際の注意点として、これらのことを言われたことはありませんか?
- 人間より先にご飯を食べさせてはいけない
- お散歩の時、人間よりも前を歩かせてはいけない
- 肩より上の高さで抱っこしてはいけない
- 一緒に寝てはいけない
これらは全て「犬が自分をリーダーだと勘違いさせてしまう行動」だとされてきました。
パックリーダー論、アルファシンドロームはもう古い?!
ここまで読んで、だいぶ不快に思った方も多いのではないでしょうか。
これらの考え方は、少し前までは当たり前・常識として扱われていましたが、最近では古い考えになってきています。
近年では、オオカミや犬は大きな群れを作ることはせず家族単位で行動すること、明確なリーダーは存在しないことなどが研究で明らかになっているそうです。
昔の研究で群れや階級が存在すると言われていたのは、同じ空間にたくさんのオオカミを入れて飼育していたからだと言われています。
猿山のサルが群れと階級を作るのと同じ現象ですね。
サルも野生では群れも階級も存在しません。
また、野犬は単独行動が多いといいます。
こうしたことから、パックリーダー論は間違っているのではないかと言われています。
犬がリーダーになりたがっていると感じたことはありますか?
私は長い間犬と暮らし、仕事柄たくさんの犬と関わってきました。
ですが1頭たりとも「あ、こいつリーダーの座を狙っているな」と感じたことはありません。
犬は犬として暮らし、きちんと自分と人間との区別が付いています。
犬の食べている物やお気に入りのおもちゃを取り上げようとした時など、犬が唸ったとしてもそれは決してアルファシンドロームではありません。
犬は意思表示、感情表現をしているにすぎません。
でも、私はリーダーが必要だと思います
さっきまでと言ってること違くない?と思われてしまうかもしれません。
私が犬にとって必要だと思うリーダーは、家族でいう「お父さん」や「お母さん」のような存在です。
正しい道へ導いてくれて、自分を守ってくれる存在です。
どんなコミュニティにもリーダーって存在しますよね。
スポーツや会社、戦隊ヒーローなんかにも必ずいる「頼れるリーダー」。
威張り散らして力や圧力で支配しようとするようなリーダーではなく、信頼して、安心して付いていくことができるリーダーの存在が、犬には必要だと考えています。
飼い主が頼りないと、犬は不安になります。
自分が飼い主を守らなければと頑張らなくてはいけなくなり、無駄なストレスを感じることになってしまいます。
飼い主様には「君(犬)の安全はリーダー(飼い主)が守るから安心してね」と、頼れるリーダーになって欲しいと思います。
まとめ:犬を不安にさせないよう、飼い主がリーダーになる必要がある
結局は、リーダーでも、親でも、友達でも、兄弟でもなんでも良いんです。
「服従させる」「支配する」といった古い考えは捨てて、犬との良好な関係を目指しましょう。