トリミング時に薬浴をご希望されるお客様も多く、皮膚トラブルを抱える犬が沢山いるなと感じます。
しかし、そんな子達は一生懸命に通ってくれていてもなかなか改善しないパターンが多いのです。
私もシャンプーのセミナーなどに参加することがありますが、正直薬用シャンプーに関しては獣医師よりもトリマーの方が100倍勉強していますし、知識もあります。
私達トリマーが皮膚の状態を診断したり、シャンプーの処方をすることはできません。
トリマーと獣医師がうまく連携をして治療に取り組むシステムが必要だと感じています。
今日はそんな薬用シャンプーに関するお話です。
薬用シャンプーとは
愛犬の皮膚の状態に合わせて、症状を改善する為に使用するシャンプーです。
薬用成分が入っている為、どんな子にも使用できるわけではありません。
「なんか良さそうだから妹ちゃんにも使ってあげよう」と、健康な皮膚の子に使うことは絶対にやめてくださいね。
薬用シャンプーには沢山の種類があります
あまり目にする機会はないかもしれませんが、実は薬用シャンプーってすごく沢山の種類があります。
皮膚の状態によって使い分けたり、場合によっては数種類のシャンプーをブレンドして使用することもあるそうです。
「とりあえずノルバサン」と言われていませんか?
皮膚の調子が悪く、動物病院に行ったらノルバサンシャンプーを処方されたことがあるという方も多いと思います。
ノルバサンシャンプーで症状が治まれば良いのですが、たいていの場合あまり改善しないのではないでしょうか?
実は、先ほど沢山の種類があるとご紹介した薬用シャンプーですが、数種類のシャンプーを取り扱う動物病院はとても少ないのです。
ですので「とりあえすノルバサン」となってしまうのですね。
もし、ノルバサンシャンプーを使用しても改善が見られない場合は早めに先生に相談してみてください。
薬用シャンプーはお薬です
一部のシャンプーを除き、基本的には自分で買うことはできません。
たまにネットで売られている物を見かけますが、「お薬」ですのできちんと獣医師に処方してもらってくださいね。
使用方法の所に、実は使用して良い期間や回数などが書いてあるのです。
お薬ですので、長期間使用を続けたり、予防的な使い方はできませんので気を付けてください。
あまり詳しくない獣医師は、間違った使い方を指導することがあります。
必ずご自分でも注意事項を読んでくださいね。
正しい薬用シャンプーの仕方
薬用シャンプーは、お薬の為洗浄力が弱いタイプの物が多いです。
その為、ノーマルなシャンプーで一度汚れをしっかり落としましょう。
ただしあまりにも状態が悪い子の場合は、ノーマルなシャンプーでは刺激が強すぎてしまうことがありますので、下洗いのシャンプーは必ず先生に確認をとってください。
場合によっては子犬用の低刺激な物を使うのも良いかもしれません。
しっかりと汚れを落とすことができたら、薬用シャンプーを泡立てネットなどで泡立てて、患部に優しく乗せてあげます。
「洗う」作業は下洗いで済ませていますので、汚れを落とすのではなく薬用成分が浸透するように「パックする」イメージです。
薬用シャンプーの種類によっては原液のまま使用する物もありますので、確認してください。
シャンプーにもよりますが、しばらく放置する物が多いので、愛犬が寒くないようホットタオルをかけてあげるなどして対策をしてあげてください。
すすぎは通常のシャンプー以上にしっかりと行い、タオルドライの際はしっかりと水気を取りますが、ゴシゴシ擦ってしまわないように注意です。
また生乾きは厳禁ですので、ブローも渇き残しがないように気を付けてくださいね。
ドライヤーの温度が高いと、血行が良くなりすぎて痒みが出る場合がありますので、温風ばかり当て続けることがないようにしましょう。
人間と同じで、皮膚を健康に保つ為には保湿が大切です。
犬用の化粧水などを使って、潤いをキープしてあげてください。
まとめ:あれ?と思ったら必ず先生に確認しましょう
犬の皮膚病に関しては、残念ながら勉強不足の獣医師も多いと感じます。
なかなか治らない、状態が改善しない場合は専門の動物病院で診てもらうことをおすすめします。
また、使用方法や使用期間などで疑問に思うことがあればどんどん質問しましょう。
愛犬の皮膚病で悩む飼い主様は本当にたくさんいらっしゃいます。
皮膚トラブルは長期化しやすいことが多く、犬も飼い主様もストレスを抱えてしまいますよね。
思い切って病院を変えてみること、セカンドオピニオンも視野に入れることも大切だと思います。
お家でのシャンプーが負担になる場合はトリミングサロンでの薬浴も考えても良いかもしれません。
少しコストはかかってしまいますが、プロの手でしっかりと洗ってもらった方が短期間で治療が終了することもあると思いますので、検討してみてください。
意外と間違った情報の多い薬浴のお話でした。