フィラリア予防、してますか。
夏の間薬を飲むって聞いたけど、一体いつまで飲ませれば良いの?
今日は、あの忠犬ハチ公の死因とも言われるフィラリア症のお話です。
フィラリア症とは
「蚊が媒介する」ということだけ漠然と知っている飼い主さんが多いかと思います。
フィラリアは糸状の寄生虫のことで、成虫になると30センチ程にもなります。
最終的には心臓に寄生するのですが、糸状の寄生虫がびっしり付いた心臓…ちょっと想像したくないですね。
フィラリア症の症状
- 咳
- 元気、食欲低下
- 呼吸困難
- 腹水が溜まる
どうやって感染するの?
フィラリアに感染している犬の血液を蚊が吸血すると、蚊の体内にフィラリアの幼虫(ミクロフィラリア)が入ります。
そして、その蚊が別の犬を刺すと、刺された犬の体内にミクロフィラリアが入ります。
つまり
犬→蚊→犬→蚊→犬→蚊…
と、どんどん感染が広がっていきます。こわいですね。
人に感染することもゼロではないそうです。
最悪死に至ることもあるフィラリア症ですが、薬を飲むことでほぼ100%の予防が可能です。
フィラリアの薬は、予防薬ではなく駆虫薬
錠剤、おやつタイプ、背中に滴下するタイプ、注射など予防する方法はいくつかありますが、最近はおやつタイプでなおかつノミダニ駆除も同時にできる薬が一般的かと思います。
美味しいので、毎月楽しみにしている子もいるのではないでしょうか。
都心では注射はあまり取り扱っている病院が少ないそうです。
「フィラリアの予防薬」実は、感染を予防するためのものではなく、体内に入ったミクロフィラリアを駆虫するためのものなのです。
なので正確には予防薬ではなく駆虫薬ですね。
お薬の種類についてはこちらの記事でご紹介しています。
フィラリアの検査
春に、狂犬病予防注射、健康診断、フィラリア検査をまとめて実施する場合が多いかと思いますが、この「フィラリア検査」、なぜこれから駆虫をするのにわざわざ検査をしなければいけないのか疑問ですよね。
意外と知らない飼い主さんが多く、なぜ先生は詳しい説明をしないのだろうといつも思うのですが…。
先ほど書いたように、駆虫薬は血液中のミクロフィラリアを駆除します。
しかし、ミクロフィラリアが成長してしまっている状態で駆虫をすると、死んだミクロフィラリアが血管に詰まってしまうため非常に危険です。
そのため、前回の投薬から間が空いている場合(大抵は去年の秋が最後の投薬です)には、必ず感染していないかどうかの確認をしてから投薬を開始します。
確認のための血液検査に必要な血液は、ほんの1滴です。
春の健康診断の時についでに調べてもらえば、何度も針を刺さなくて良いのでおすすめです。
投薬期間
検査をして、感染していないことが確認できたら投薬開始です。
血液中のミクロフィラリアを殺す薬なので、飲み始めは「蚊が出始めてから1か月後」です。
お住いの地域によって蚊の出始める季節は違いますが、だいたい4月から5月頃に投薬を始めることが多いです。
そして、飲み終わりは「蚊がいなくなってから1か月後」です。
こちらも地域によって差がありますが、この記事を書きながら今蚊を見つけたので、東京では11月頃まで投薬が必要かと思います。
毎月薬をもらいに行くのが大変な場合は、半年分まとめて処方してもらうことも可能です。その方がちょっと割引になったりします。
毎月1度、日にちを決めてカレンダーに印を付けておくと飲み忘れがありませんよ。
まとめ:フィラリア予防は蚊がいなくなってから1か月後まで
秋頃に投薬が終了することが多いですが、西日本、九州、沖縄などの暖かい地域では通年予防を推奨している動物病院もあります。
かかりつけの先生に確認してみてください。
昔と比べてフィラリア症で死亡することは減少したそうですが、それは「みんながきちんと投薬しているから」です。
「うちの子は大丈夫」と、投薬をしていない犬が増えると、一気に感染が拡大する恐れがあります。
「みんなで」愛犬たちを守っていきましょう。