現在、世界中で新型コロナウィルスのワクチン接種が行われており、このタイミングで愛犬のワクチンについても関心を持つ方も増えているかと思います。
しかし、同時に副反応に敏感になっている方も多いなも感じています。
今日はそんなワクチンの副反応に関するお話です。
犬用ワクチンにまつわる都市伝説
犬用ワクチンに関する都市伝説は、皆さんも1度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
例えば、
- ワクチンの接種は3年に1度で良い
- ワクチン接種は子犬時に完了するので成犬は打たなくてもいい
- 狂犬病は日本では発症がないので、打たなくてもいい
実はこれ、どれも間違っています。
狂犬病のワクチンに関しては、法律で毎年接種をすることが義務付けられています。
犬を飼う人の義務になりますので、接種をしてない場合は罰金があります。
狂犬病ワクチンは、犬を守るためのワクチンではありません。
日本で狂犬病が発生した際にパンデミックを防ぐため、つまり私たち人間を守るための法律になります。
ですので、本当は副反応があってもなくても接種しなければいけないのです。
何か理由(持病や高齢など)がある場合には、接種を猶予してもらうことができます。
その場合には、必ず動物病院にて証明書をもらうことが必要になりますので気をつけてください。
摂取に不安がある場合はまず動物病院で相談しましょう。
狂犬病ワクチンの副反応
気になる狂犬病ワクチンの副反応に関してです。
厚生労働省の発表している、平成27年度日本国内における狂犬病予防注射頭数は4688240頭、そのうち重篤な副反応が確認されたのは18頭。
…この頭数に多いと感じるか少ないと感じるかは人それぞれだと思いますが、確率で言うと約0.0003%と言うことになります。
致死率100%の病気のワクチンが0.0003%の副反応の確率で打てるのです。
副反応の症状は、程度の軽いものであれば痒みが出る、貧血、震え、体温低下など。
ひどいものだとアナフィラキシーショックを起こすことがあります。
確率が低いとは言え、副反応が起こることはゼロではありませんのでワクチン接種後は必ず様子を見てあげてくださいね。
もしまだ今年の狂犬病ワクチンの接種が終わっていない方も、6月までは予防月間になりますのでまだ間に合いますよ。
ちなみに予防月間中に必ず接種しなければならない訳ではありませんので、体調面に不安がある場合などは焦らず延期しても大丈夫です。
混合ワクチンの副反応
混合ワクチンの摂取は法律で定められてはいないものの、接種をしていないとトリミングサロンやペットホテルの利用ができないところがほとんどです。
ですので自己責任にはなりますが、狂犬病になるよりもずっと高い確率で病気に感染してしまうことになります。
全く家から出ない、他の犬との接触がない場合でも、もしもの時(急な用事でペットホテルに預けなくてはならないなど)に備えて接種しておく方が良いと思います。
他の理由で動物病院に行った際に他の犬から感染してしまうリスクもありますので。
しかし、数種類のワクチンをいちどに体内に入れるため副反応のリスクは狂犬病ワクチンよりも高くなります。
飼育環境等にもよりますが、できれば接種回数が減らしたいところ。
そこで、最近新常識になりつつある抗体検査をご存知でしょうか。
抗体検査
「海外では3年に1度ワクチン接種が主流になっている」
といった理由で、日本は遅れている!と言う方がいらっしゃいます。
実際に、過去には3年に1度の摂取を推奨していた国もあります。
…が、実は海外でも今は3年に1度の接種を推奨していないところがほとんどです。
「抗体が残っているのでがあればワクチンの接種を見送る」
と言うのが現在世界の常識です。
抗体価検査は、血液検査によって抗体の有無を調べ、極力摂取の回数を減らすことができます。
以前記事にしたことがあるので、詳しく知りたい方はこちらの記事をお読みください。
また、実施できる動物病院を調べるにはこちらのサイトがお勧めです。
まとめ:必要以上に怖がる事は無い
不安な情報ばかり耳にすると接種が怖くなってしまいますが、ワクチンは犬にとって必要なものです。
特に、狂犬病ワクチンに関しては法律で定められていますので必ず接種しましょう。
体調に不安があるなど、接種をするかどうか迷ってしまった場合は必ず動物病院の先生と相談してください。
接種時期をずらしたり、場合によっては打たずに猶予をしてもらったりできますので自己判断をせず、まずは動物病院へ行きましょう。
犬も人も安心して暮らすために、ワクチン接種は重要です。