犬のワクチンまだ毎年打ってるの?【抗体検査】

顔の黒い犬がこちらを見ている写真
1年に一度動物病院から送られてくる、「混合ワクチン接種時期です!」というお葉書。

届いたから今年もワクチンを打ちに行こう、と思っていらっしゃる飼い主様。

この混合ワクチンを打たなくても良い方法があるってご存知ですか?

 

※今回は「混合ワクチン」についてのお話です。

狂犬病ワクチンについて知りたい方はこちらの記事をお読みください。

www.inunokoto.com

「年に一度の混合ワクチン」は、もう古い?!

犬の混合ワクチンについては様々なデマや噂が広まってしまい、混乱してしまっている飼い主様も多いのではないでしょうか。

例えば…

  • 3年に一度で良いらしい
  • 子犬のうちにしっかりと接種していれば成犬になってからの追加接種は必要ない
  • ワクチンは犬にかかる負担、副反応のリスクが大きいので打たない方が良い

などなど。

こういった噂を聞くと、なんとなく接種が怖くなってしまいますよね。

実際に接種率も下がっているそうですが、自己判断で接種を辞めるのは危険です。

本来ワクチンは「病気にならないようにする」ために接種する物ですよね。

ようは1年に一度でも3年に一度でも、病気にかからなければそれで良いのです。

ワクチン接種による副反応のリスクもゼロではありません。

毎年毎年接種を続けていると、「過剰摂取」に繋がり副反応が出やすくなってしまうことも。

できる限り接種回数を減らして、なおかつ病気にもならないようにする方法があるんです。

抗体検査のすすめ

「抗体検査」ってご存知ですか?

だんだん知名度は上がってきていますが、まだまだマイナーかもしれません。

この抗体検査、血液検査で「その子が今どのくらい抗体を持っているのか」を知ることができます。

つまり、抗体があるのであれば追加でワクチンを接種する必要がないということです。

1年に一度この抗体検査をすることで、生涯に打つワクチンの回数を減らすことができてしまいます!

抗体が十分にあれば、不必要なワクチンは打たないに越したことはありません。

抗体検査のメリット

その犬その犬によって混合ワクチンの適切な接種頻度は異なります。

何年も抗体が残ったままの子もいれば、1年以内に抗体がなくなってしまう子も。

中には「ノンレスポンダー」と言ってワクチンを打っても全く抗体のできない子もいるそうです。

そういった「うちの子の適切な接種頻度」を知ることができますので、ワクチンの無駄打ちをしなくて良くなります。

混合ワクチンは数種類(2~11)のワクチンを一気に体の中に入れますので、副反応のリスクも少なくありません。

生涯で接種する回数は少なければ少ない方が良いですよね。

また高齢になった子のワクチン接種に迷った場合も、きちんと抗体が残っていることを確認できれば安心です。

抗体検査のデメリット

検査ですので、副反応もなければ命の危険もありません。

どこの動物病院でもできる訳ではない

まだ全国でも実施している動物病院は少なく、かかりつけの動物病院では検査ができないかもしれません。

のちほど実施病院の検索ページをご紹介します。

検査費用が病院によって差がある

検査費用はだいたい10000円くらいのところが多いみたいですが、かなり差があるそうです。

事前に確認しておいた方が良いかもしれません。

トリミングサロン、ペットホテルなどで断られる可能性がある

抗体検査が終了すると証明書がもらえるのですが、トリミングサロンやペットホテルなど、利用の際にワクチンの接種証明書が必要な施設では、まだ抗体検査の結果だけでは受け入れてもらえないところもあります。

私のお店では、もちろん抗体検査の証明書があれば施術できます。

今後抗体検査が広まっていけば、どこのお店でも利用できるようになっていくと思いますが、今はまだ少し注意が必要です。

事前に確認しておきましょう。

抗体がなかった場合、ワクチン接種と二重で費用がかかる

だいたいの子が3年~長い子だと7年、抗体が持続しているそうです。

1年で抗体が切れる子はあまりいないそうですが、うちの子はバッチリ切れていました。

個体差がありますのでしょうがないですね、その場合はしっかりワクチンを接種しましょう。

春やお誕生月に毎年健康診断をしている子は、その時に一緒に検査をすると良いですね!

地域によっては要注意

こちらの抗体検査、実は混合ワクチンの中に含まれる「コアワクチン」と呼ばれる3つのワクチンのみの検査になります。

コアワクチン

  • ジステンパーウイルス
  • パルボウイルス
  • アデノウイルス

ノンコアワクチン

  • レプトスピラ
  • パラインフルエンザウイルス
  • ポルデテラ

詳しい説明はまた記事にしますが、コアワクチンは「致死的な病気を防ぐために全ての犬が接種すべき」と考えられているワクチン、ノンコアワクチンは「住んでいる地域や環境、その子のライフスタイルによっては接種が必要」なワクチンです。

都会に住んでいて、お散歩は近所の公園に遊びに行く程度でしたら、コアワクチンのみの接種で大丈夫かと思いますが、山や川にキャンプに行ったりとアウトドア派な子にはノンコアワクチンも必要になってくるかなと思います。

住んでいる地域やライフスタイルによって必要な予防も大きく異なりますので、この辺は検査の前に動物病院でよくご相談されてくださいね。

これまで8種以上の混合ワクチンを打っていた子は、検査よりも追加接種の方が良い子もいるかと思います。

全国の抗体検査が受けられる動物病院が検索できます!

さきほども書きましたが、どこの動物病院でも検査が受けられる訳ではありません。

こちらのサイトでお近くの動物病院が検索できます。

受診病院MAP – 犬用ワクチチェック vaccicheck
わんちゃんの飼い主さまへ抗体検査 受診病院MAPはこちらからワクチンの抗体検査や接種については動物病院の先生ともご相談の上ご検討いただけますようお願いいたします。

まとめ:抗体検査で愛犬にかかる負担を最小限にしましょう

毎年言われるがままに接種していた方もいるかもしれません。

でも、愛犬の体のことを考えるとワクチンの過剰接種はしたくないですよね。

病院を探したり、検査に少し時間がかかってしまうなど、手間はありますが絶対にやって損はないと思います。

これからの新常識「ワクチン抗体検査」のお話でした。

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